税金・相続

売却?賃貸?知って得する 空き家の活用法・最新事情

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売却?賃貸?知って得する 空き家の活用法・最新事情

平成20年の空き家の総数は全国で760万戸(国土交通省調べ)となっており、その数は毎年増加の傾向にあります。
転勤、相続、親との同居、老人ホームへの住み替えなどの理由で、空き家の所有者が増えています。そういった方の多くは、いつか空き家を活用したいと思いながらも不安があったり、いっそ売ってしまった方が良いのではと思っていても、なかなか実行に移せなかったりするのが現状と思われます。
そこで、空き家の活用法と題して、皆さまが抱えている不安を取り除くような取り組みをご紹介します。

1.売却する―空き家の資産価値と特例―

一戸建てを売却する場合、築年数が20年を経過した物件は建物の価値がゼロになってしまいます。そのため、古家付きの土地として売買することが多いです。売りやすさを考えて更地にすれば解体費がかかりますが、解体費を差し引いて更地渡しをする方法もあります。
これは、その土地に家を建てることが可能な場合には有効な手段ですが、接道義務などの理由で再建築不可であれば、更地にしても売りにくい土地となります。
更地にして土地を所有すると、古家は無くなるので建物にかかる固定資産税はゼロとなりますが、土地の固定資産税が上がります。
住居用財産(空き家)を売った時の特例もあるので、下記に紹介します。
相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地を平成28年4月1日~平成31年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまる時は、譲渡取得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。(「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」)。

  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと
  • 相続開始の直前において被相続人以外に住居をしていた人がいなかったこと

2.売却および賃貸する―「空き家バンク」の利用―

空き家を賃貸に出しながら売却も考えたい場合、これまでは不動産会社に依頼することが一般的でしたが、空き家の活用法として各自治体で「空き家バンク」が利用できるようになりました。
空き家バンクとは、全国の自治体が中心となって行う、空き家所有者と利用者のマッチングサイトで、売買、賃貸の併用が可能です。利用者登録した物件所有者が、賃貸または売買の情報を提供し、利用希望者とマッチングすれば、直接または宅建協会を通して交渉・契約ができるサービスです。全国のおよそ70%の市町村が空き家バンクを設けています。
自治体によっては、空き家バンクに利用者登録する人が、登録した物件を賃貸または売買した場合、リフォーム費用や2年間の家賃などを補助する制度を設けるケースもあります(※)。
国土交通省は、2017年度中に全国の情報を一括して閲覧できるホームページを開設する方針を固めました。
※自治体によって補助金の有無や補助金額が異なるので、詳細は各自治体の空き家バンクのホームページなどでご確認ください。

(参考)2017年7月19日「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULLは、全国の空き家、空き地情報をインターネット検索できる新サービスを国土交通省のモデル事業の一環として、一般社団法人「全国空き家バンク推進機構」と連携して始めると発表し、賛同自治体を募集を開始しています。
詳しくはこちら→国交省モデル事業「LIFULL HOME’S空き家バンク」 自治体からの参加登録受付開始

3.賃貸する―よくある不安とその解決法―

空き家を賃貸住宅にして家賃収入を得たいが、これまでなかなか行動に移せなかったという方、下記のような不安が、その要因となっているかもしれません。空き家を賃貸住宅にする上での不安と、その解決方法をご紹介します。

3-1.リフォームにお金がかかるのでは?

―空き家を賃貸用の住宅にする場合、今まではリフォーム渡しが通例でしたが、借主がリフォーム(DIY型)をする方法もあります。

3-2.家賃の滞納が心配

―大家さんの立場になると、一番不安なのが家賃の滞納だと思います。貸主が賃貸物件の近所に住む場合も遠方の場合も、滞納への対策として、家賃保証会社に任せる方法もあります。管理料がかかりますが、検討してはいかがでしょう。

3-3.将来また戻って住みたいが、貸してしまうと思うように戻れない

―将来的にまた住みたい、あるいは後々家を取り壊したいなどの場合は、定期借家契約が有効です。例えば、その時期として10年後を考えているなら、10年の定期借家契約にすれば、借主は10年経過時に賃貸契約が終了し明け渡すことになります。

3-4.人に貸すことを考えたこともない

―空き家は傷みやすく、雑草が生え、動物がすみ付き、防犯上も危険です。家は、人が住むことによって中に風が通り、結果的に長持ちしするものです。何より、人に貸すことで家賃収入が得られます。

まとめ

  • 空き家を売却する場合は、築年数20年で建物の価値がゼロになるが、その土地が再建築不可の場合は、更地にしても買い手がつきにくい。
  • 一定の要件を満たす場合、空き家を売った時に受けられる特例もある。
  • 賃貸と売却の両方を考える場合は、自治体の「空き家バンク」に登録することも有効である。
  • 賃貸する上で生じるさまざまな不安は、その解決法を探って上手に資産運用するのが賢明。

空き家の活用法として、売買、賃貸、その併用など、いろいろな方法があります。それぞれのケースに当てはまる特典を知っておけば、賢い資産運用が可能になるでしょう。皆さまの抱える不安がひとつずつ解決すれば、次は行動に移す準備となります。
大切な資産の運用に、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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