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上手に見積もりを取るポイント②  ~リフォーム・リノベーション編~

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上手に見積もりを取るポイント②  ~リフォーム・リノベーション編~

前回は、賃貸住宅を建てる際の見積もりのポイントをお伝えしました。
大家さんのなかには、「間取りを変更したい」「外装をきれいにして外から見ても魅力的な建物にしたい」など、現在所有している物件でリフォームやリノベーションを検討する方もいらっしゃるかと思います。
今回は、リフォームやリノベーションをするときに、上手に見積もりを取るポイントについて解説します。

1.見積もりを取る前にすべきこと

リフォーム・リノベーションの場合も、いきなり見積もりを取ろうとするのではなく、工事場所やスケジュールを考えたり、建物の状態を把握したりすることから始めます。

1.施工する場所を考える

一口にリフォーム・リノベーションといっても、キッチン回りやバス・トイレの修繕、床の張り替え、建具の交換など、多岐に渡ります。まずは、どの部分をどのようにリフォーム・リノベーションしたいのかを考えましょう。

2.建物の現状を把握する

築年数の古い建物であれば、住宅診断や耐震診断をしたほうがよいでしょう。何か問題がある場合は、リフォーム・リノベーション時に修繕したり補強したりする工事が別途必要となるからです。

3.スケジュールを考える

一般的に、リフォーム・リノベーションは、それまで住んでいた入居者が退去してから行います。次の入居者を迎えたい時期から逆算して、管理会社と相談しながら工事のスケジュールを決めましょう。

4.施工業者を選定する

施工業者には、全国展開している業者から小規模で経営している業者まで、さまざまあります。各業者から資料を取り寄せる、ウェブサイトを閲覧する、ショールームを見学するなどして、比較検討し、ある程度見積もりを依頼する業者を絞り込んでおきましょう。

5.予算と資金調達方法を決める

予算をどれくらいかけるかを決めた上で、資金調達方法を考えます。場合によっては国の補助金を申請できることもあるので、補助金が受けられるかどうかも調べてみましょう。金融機関に融資を依頼する場合は、金利や期間についても確認しておきます。

2.見積もりを確認する際の注意点

費用の相場感をつかむため、見積もりは3社以上、できれば4~5社から取ることが望ましいです。見積もりが届いたら、以下のような点に注意して進めましょう。

1.修繕箇所があると工事費が大幅増

築年数の古い建物で住宅診断を行っていない場合、リフォーム・リノベーション工事の最中に配管の劣化やシロアリ被害などが発見されることがあります。そうなると、修繕や補修のために追加で工事が必要となり、全体の工事費が大幅に高くなってしまうので注意が必要です。

2.議事録や見積書は書面に残す

修繕や補修などの追加工事が発生した場合、口頭だけで業者とやり取りをしてしまうと、後になって「言った・言わない」のトラブルになることもあります。トラブルを回避するためにも、議事録や見積書は書面の形できちんと残しておくことが必要です。

3.安いから良心的とは限らない

複数の施工業者に見積もりを依頼すると、作業人員の数や工期によってさまざまな金額の見積もりが上がってきます。他の業者より安い金額を提示している業者の場合、良心的な業者と思って実際に工事を依頼してみると、工事がとてもずさんだったというケースもあります。業者選びは慎重に行ないましょう。

4.原状回復程度(20~50万円程度)の場合

この場合については、今後も何度か施工業者に発注することになると予想されます。複数の見積もりを取った上で、良心的な施工業者に出会えたら、その業者に繰り返し発注するほうがよいでしょう。なぜなら、そのほうが良好な関係を築くことができ、良い仕事をしてもらえるようになる上、大家側としても毎回見積もりを取る手間が省けるからです。ただし、業者の担当者が替わったときに引き継ぎがうまくいかなくなるケースもあるので、良好な関係にある業者を2社ほど確保しておくことをおすすめします。

3.「一式」「諸経費(諸費用)」に注意

リフォーム・リノベーションは、具体的な数量や金額が比較的出しやすいため、見積もり書には最初から具体的な単価や数量が記載されていることが多いです。

建具の交換などの小規模なリフォーム・リノベーションの場合、人件費や設備費など設置に伴う費用が「一式」となっていることがあります。

また、異なる複数の工事をまとめて「一式」と記載している場合は、工事の範囲や仕様などを明らかにするために、改めて詳細な見積もりをもらうことが大切です。たとえば、内装工事の場合、一口に「内装工事」と言っても、壁紙の張り替えや畳の交換、カーペットやカーテンの設置費などがあります。どの部分のどの工事を行うのかを、見積書にしっかり明記してもらいましょう。

また、「諸経費(諸費用)」という項目にも注意が必要です。諸経費(諸費用)には、駐車場代やコンサルティング代、住宅診断費を計上するケースがあります。具体的な内容が記載されていない場合は、施工業者に依頼して詳しい明細書をもらうようにしましょう。

まとめ

  • 見積もりを取る前には、リフォーム・リノベーションをする場所やスケジュールを考える、住宅診断や耐震診断をして建物の現状を把握するなど、準備が必要。
  • 各社から見積もりを受け取ったら、慎重に比較検討する。あまりに安い金額を提示している業者は、手抜き工事をされる恐れもあるので注意する。
  • リフォーム・リノベーションの場合は、具体的な金額や数量が決まっていることが多いが、複数の工事がまとめて「一式」となっていたり、「諸経費(諸費用)」の内容が記されていなかったりする場合は、再度詳細な見積もりを依頼して内訳を明記してもらう。

所有する部屋にできるだけ付加価値を与えて、相場より高い家賃で借りてもらうには、ある程度コストをかけてリフォーム・リノベーションすることが欠かせません。部屋の設備が新しいものであれば、見学者も増えて借り手もつきやすくなるでしょう。
上記のような点に注意して、リフォーム・リノベーションの効果を上げていただければ幸いです。

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