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上手に見積もりを取るポイント①  ~賃貸住宅を建てる~

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上手に見積もりを取るポイント①  ~賃貸住宅を建てる~

「親から土地を譲り受けた」「土地を購入した」といった場合、土地の活用方法のひとつとして、賃貸住宅を建てて家賃収入を得る方法があります。
しかし、大半の大家さんにとって、住宅の建築に関する見積もりを取るのは難しいもの。そこで、今回は賃貸住宅を建築する際に上手に見積もりを取るポイントについてお伝えします。

1.見積もりを取る前にすべきこと

賃貸住宅を早く建てたいからといって、いきなり見積もりを取ろうとするのは早計です。まずは見積もりを取るための準備から始めましょう。見積もりを依頼する際には、以下のようなことをあらかじめ考えておくことが必要です。

1.建てる目的を明確にする

まずは、なぜ賃貸住宅を建てたいのかを考えましょう。それと同時に、建物自体を最終的にどうするのかも考えておくことも必要です。10年ほどで売却するのか、20年、30年と長く安定した賃貸経営をしていきたいのか、それによって、かけるべきコストが大きく異なるからです。

2.どんな賃貸住宅にするのか

ファミリー向けにするか、単身者向けにするか、それぞれ必要となる部屋の広さや設備が大きく異なります。周辺地域の人口動態調査や家賃相場などをリサーチして、賃貸住宅にどのようなニーズがあるのかを探ってみましょう。

3.土地の周辺の状況を把握

住宅を建てる前には、土地の地盤調査や測量調査が必要です。大きな地震が起きても液状化の心配がないか、土砂災害や浸水・津波などの危険がないかどうかを、しっかり調べておきましょう。

4.資金調達方法を考える

予算を決めて、資金をどのように調達するのかもあらかじめ考えておきます。借入期間や金利など、各金融機関に問い合わせて確認をしておきましょう。

5.依頼する施工業者を選定

見積もりを取る際は、4~5社程度に依頼します。施工業者は大手の工務店から地域密着型の小さな工務店まで数多くあります。資料を取り寄せる、ウェブサイトを見る、展示場に足を運ぶなどして、どのような会社なのかを把握し、見積もりを依頼する会社を絞りましょう。

2.見積書を確認する際の注意点

見積もりを依頼したら、およそ1~2週間ほどで施工業者から基本計画書が送られてきます。各業者の見積書の内容をよく見比べて、疑問点があれば業者に問い合わせることが大切です。特に注意しておきたいのは、以下のような点です。

1.工事の名称や工事内容を確認

見積書のフォーマットは各業者で異なるため、内容の違いが素人目にはわかりにくくなっていることが多く見受けられます。工事の名称や具体的な工事の内容、備考欄など、面倒でも隅々まで目を通しましょう。

2.単価や数量が正しいかを確認

一般的に見積書では、設備や部品の単価や数量が多めに見積もられていることがよくあります。実際に工事をしてみなければ具体的な数字がわからないことも多いですが、数量が決まっているものについては間違っていないかどうか、よく確認することが必要です。

3.値引き交渉は慎重にする

時期によっては、料金を値引きしてくれる業者もあります。しかし、値引きをすればその分、手抜き工事をされる恐れもあるので注意が必要です。値引き交渉では、単に価格を下げてもらうほかに、たとえばシステムキッチンをワンランク上のものにするなど、無料でオプションをつけてもらう方法もあります。

3.「一式」「別途工事費」「諸経費」に注意

総事業費は「建築費」と「諸費用」に大別されます。建築費には「本体工事」「付帯工事」「別途工事費」などの分類があります。

見積書では、「本体工事一式 一式」「諸経費」「他」など、内容の詳細がわからないように記載されていることもあります。このような記載がある場合、業者に依頼すれば教えてもらえるので、詳細な見積もりを依頼しましょう。

また、壁紙や床材、外壁材などは、本体工事費に大きく影響します。グレードの高いものを使用すると、工事費が数百万円単位で跳ね上がることもあります。本体工事費があまりにも高い場合には、どんな設備にどんな素材が使われるのかを業者に確認してみましょう。

また、価格の根拠を尋ねてみることも大切です。他の業者の見積もりが安いからといって、その価格が妥当であるとは限りません。ただし、素人には価格が妥当かどうかを判断するのは難しいので、専門のコンサルティング会社などを利用して判断するのもひとつの手です。

まとめ

  • 賃貸住宅を建てる前には、建てる目的や建物の用途を考えたり、融資を依頼する金融機関や施工業者の選定を行ったりするなど、事前準備が大切。
  • 見積書が届いたら、工事の名称や内容を確認するとともに、単価や数量の計算ミスがないかどうかをチェックすることも必要。
  • 見積内容の詳細が不明なときは、業者に依頼して詳細な見積もりを出してもらう。見積もりが妥当かどうかわからないときは、専門家の力を借りることも視野に入れる。

賃貸住宅を建てることは、一生のうちにそう何度もないことです。事前準備と確認にしっかり時間をかけて、どの施工業者とお付き合いがしたいのかを慎重に見極めることが、賃貸経営の成功への第一歩となるでしょう。

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