不動産投資

少額から気軽にスタートできる 証券化不動産投資を知っていますか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

不動産投資を始めてみたいけれど、お金が足りない。だからといって、そのために借金をするのはちょっと怖い、という投資家の方におすすめしたいのが、J-REIT(証券化不動産投資)です。
こちらは21世紀に入ってからスタートした金融商品のため、なじみの薄い方も多いかと思います。不動産を購入してみたいと思いながら抵抗のある方にとっても、J-REITがなぜおすすめなのか、ここで解説します。

1.不動産投資に抵抗があるのはなぜか?

「不動産投資をしよう」と思いながら、二の足を踏んでしまうのは、以下のような問題が頭をよぎるためではないでしょうか。

1.初期投資額が大きい

不動産物件を購入するため、初期投資の金額が大きくなります。築古のワンルームマンションでも数百万円はかかりますし、その他に登記費用や仲介業者への手数料なども必要です。また、融資を受ける場合は、抵当権設定費用などの諸費用がかかります。

2.融資を受けるのが怖い

自己資金を超える金額の物件を購入する場合、金融機関からの融資を利用するのが一般的です。融資によるレバレッジ効果(※)は不動産投資の最大の特徴ですが、逆にマイナスを増幅してしまう可能性もあり、諸刃の剣と言えます。

3.購入できる物件が少ない

個人の資金規模で購入できる物件となると、住宅用の賃貸物件が主流です。オフィスビルなどが購入できれば、不動産投資の面白味も増しますが、やはり価格が高く、最初の不動産投資で住宅以外の物件を購入するのは、あまり現実的ではありません。
※=他人の資本を使うことで、自己資本に対する利益率を高めること。

2.J-REITの仕組みとメリットは?

J-REITには、上記のような「不動産投資特有の問題」を解決できる可能性があります。
その理由は、不動産の証券化にあります。証券化とは、不動産などの原資産から得られる収益や売却益を受け取る権利を小さく切り分けて、不特定の投資家が購入できるようにしたものです。
例えば、価格2,000万円で家賃収入が年間100万円の物件を100口の証券に小分けにします。すると、1口20万円で年間1万円の配当を受け取れる証券化不動産となります。
つまり、証券化の仕組みにより、少額からの不動産投資が可能となります。
メリットはこれだけに留まりません。
J-REITは、主に投資法人と呼ばれる不動産の専門家が、購入する物件の見極めや、物件の管理、資金調達など様々な面でサポートしています。また、資金規模が大きくなるので、購入できる収益不動産の選択肢が増え、管理の手間もかかりません。

3.NISA口座でJ-REITを始めるメリット

J-REITは東証などの証券市場に上場しており、証券会社への口座を開くことによって、通常の株式と同じように売買することができます。これは、極めて流動性が高いことを意味しています。
実物不動産は自分で売却先を見つける必要があるので、現金化するにはそれなりの期間を要しますが、J-REITは売却後3営業日で現金が振り込まれるので、急にお金が必要になった場合にも対応できます。
また、会社の業績見通し+経済状況+期待値で価格が決まる株式とは異なり、不動産の価格や収益は比較的安定しているため、証券の価格もあまり大きくは変動しないことも特徴です。
J-REITは、近年話題のNISA口座でも購入することができます。
通常、J-REITからの収益は配当所得に分類され、約20%の源泉徴収が行われていますが、NISA口座で購入すれば、この源泉徴収を免じることができます。よって、高配当のJ-REITとNISAは極めて相性が良いと言えます。

4.J-REITで投資できる収益不動産とは

J-REITの最大のメリットは、個人では投資の難しい種類の収益物件に、少額から投資可能な点です。例えば、以下のようなタイプがあり、それぞれに特徴があります。

オフィスビル型

J-REITの中ではハイリスク・ハイリターンで、景気動向を受けやすいのが特徴です。好景気の時は高い利益が見込めますが、景気が悪化するとテナントやオフィスの撤退や移転が起こりやすく、収益が不安定になりがちです。

住宅(レジデンシャル)型

マンションなどの家賃収入が主で、ローリスク・ローリターンの部類に入ります。景気の良し悪しにかかわらず、住宅には一定の需要があるので、収益が安定しているのが特徴です。

リゾートホテル型

収益性がホテルの事業成績に左右されます。また、為替の影響を受けやすく、観光客が多く訪れる円安時には高い業績が期待できます。

ロジスティクス型

物流拠点への不動産投資を行います。流通は常に一定のニーズが見込めるので、好不況の影響が小さく、収益の安定性は高いです。また、今後はネット通販の拡大により、高い将来性が見込まれています。ただし、物流会社が撤退した場合に、一気に収益性が悪化するリスクをはらんでいます。

商業施設型

商業ビルやショッピングセンターへの不動産投資を行います。このタイプはオフィス型とロジスティクス型の中間的な性質を持っています。小型テナントの多い商業ビルはオフィスビル型と同様に景気の影響を受けます。一方、ショッピングセンターの場合はロジスティクス型に近く、景気動向に対して比較的安定していますが、撤退・移転により収益性が大幅に低下するリスクがあります。

5.J-REIT特有のリスクとは?

現物不動産投資に比べて気軽に始められるJ-REITですが、証券化ならではのリスクもあります。

1.直接不動産よりも利回りで劣る場合がある

J-REITの所有する物件は収益性に優れるものが多いですが、その仕組み上、投資法人などに対する報酬も生じるため、最終的な利回りは3~5%程度まで低下しています。

2.投資法人の破綻のリスクがある

投資法人も企業である以上、倒産のリスクがあります。過去に資金繰りの悪化から民事再生法を申請した投資法人も存在しました。しかし、J-REITには不動産という原資産があるので、他のJ-REITの投資法人に吸収合併され、その価値が維持されるケースも多くあります。

まとめ

  • J-REIT(証券化不動産投資)は、個人では購入しにくい収益不動産に少額から投資でき、すぐに売却ができる。
  • 株式などと比べると、不動産投資特有の安定した収益を見込むことができる。
  • NISA口座で証券化不動産を購入すると、税金を免除することができる。
  • 購入できる収益不動産にはさまざまなタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがある。
  • J-REITのデメリットは、実際に不動産を所有するよりも利回りの点で劣る場合があること、有価証券を発行している投資法人が破綻するリスクがあること、などである。

このようにJ-REITには、実物不動産への投資とは異なる特徴があります。
不動産投資を体験してみたい初心者大家さんや、所有物件の賃料収入を安定的に運用したいと考えるベテラン大家さんまで、幅広いニーズに応えられるものと思います。デメリットも理解した上で、検討してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

メールアドレス登録受付中!

賃貸経営ガイドでは、不動産オーナーの方・不動産オーナーになりたい方に役立つ情報をお届けしていきます。
メールアドレスをご登録いただくと、最新の情報や人気の記事などをメールで受け取ることができます。

メールアドレスを登録する

この記事が気に入ったら 「いいね!」をして最新記事をSNSで購読して下さい。

大家CLOUDをフォロー