設備・修繕

原状回復工事のコスパを上げたい 費用を抑える3つのポイント

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原状回復工事のコスパを上げたい 費用を抑える3つのポイント

不動産賃貸業を営む個人・法人にとって、日常的に大きな負担となりやすいのが、現状回復工事です。
新築からしばらくの間は、あまり費用はかかりませんが、10年15年と築年数が経つにつれて、金額も大きくなるのが一般的です。
今回は、工事の費用を抑えるために、気をつけるべき点をいくつかご紹介します。

1.間に業者を入れない直接発注が基本

管理会社に任せっきりや、いつも一つの業者にすべて依頼するパターンが、最も費用がかさみやすいです。
なぜ高額になるのかというと、間に入った人や会社の数だけ、手間代が増えてしまうからです。最終的にオーナーに請求される金額は、自分自身で施行した時の1.5~2倍以上になることも少なくないはずです。しかし、仕事を受けた人たちは、頼まれた仕事の報酬を最低限受け取っただけなので、その人たちを責めることはできません(あまりに高額な工事費を請求された場合は別です)。
いちばん安く仕上がるのは、やはり自分ですべて手配するか、自分自身で施行する方法です。しかし、忙しい・ノウハウがない・施行方法を覚えても費用対コストが見合うかどうか、などの理由で、なかなか踏み出せないラインだと思います。
そもそも、高年収の方や、物件数を大量にお持ちの方は、人任せの方が収益性が高い場合もあります。この辺りをどう判断するかが、このテーマの一番のポイントです。
一つの目安として、自分自身の仕事を時給換算して比べてみると判断しやすいでしょう。まずはクロス・建具・クリーニングなどの工程別に分け、いつもの支払額を算出しておきます。そして自分で施行した場合の時間で割れば、時給換算ができます。仮にクリーニング代が50,000円とし、1人で行うと20時間かかるとしましょう。50,000÷20=時給2,500円の仕事ですね。
これが本業より高く、かつ時間が取れるのであれば、やる価値はあるのではないでしょうか。本業より安ければ、割り切って人任せにして、自分は他の得意な作業を行ったり、プライベートの時間を確保したりすればいいでしょう。ただし、その場合も大量発注して単価を安くしてもらう交渉はするべきだと思います。

2.クロスの張り替えは㎡単価に注目

工事費の中で最も高額になりやすく、また価格の幅が出るのがクロス張り替え工事です。この作業や、それに伴う壁材の補修などが自分でできれば、全体の工事費をかなり抑えることができるでしょう。
クロス張り替えは、何度か取り組むうちにコツがつかめるとよく言われますが、時間もかかります。いつでも頼める業者を最低一つは確保すべきでしょう。定期的に仕事を依頼して、単価を安く固定してもらうようにすると良いです。地域によって平均単価は違うので、目安を示すのは難しいですが、1㎡1,000円以下で請け負う業者も、探せば見つかると思います。しかし、仕上がりが悪ければ元も子もないので、施工後は必ず自分の目で確認しておきましょう。

3.費用をかける場所・かけない場所

大家業としてのキャリアやセンスが求められる話ですが、ちょっとしたクロスの破損や汚れ、単純な補修をすれば済む建具や設備などは最小限のコストと手間で済ませる様にすることが大事です。
おおまかに分けると、塗装・クロス・クッションフロア・クリーニングなどは、次の入居者が納得できるレベルであれば入念にやり過ぎない程度にしましょう。反対に、建具や設備などは箇所によっては、ちょっとしたキズや不具合を放っておくと、数カ月~数年後に取り返しのつかない損害に拡大する可能性もあります。
早めに手を入れる所と、気にせず見過ごして良い所を判断できるようにしましょう。

まとめ

  • 原状回復工事のコストを抑えるには、直接発注が基本。
  • クロス張り替えは、㎡単価に注目し、同じ業者に定期的に発注して単価を下げる。
  • 費用をかける場所・かけない場所をきっちり区別する判断力を身につける。

今回は、基本的な箇所を中心にポイントを解説しましたが、個別にもっと深く掘り下げていくこともできます。
すべてに共通して言えるのは、物件周辺の管理会社・各種施工業者・大家仲間の方々との情報交換を密に行っておくことで、これらの効率や費用対効果を高めることができます。
お持ちの物件の原状回復工事の際には、今回の記事をぜひご参照ください。

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