設備・修繕

何年に一度、どの部分の修繕が必要? アパートの修繕計画についての考え方

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何年に一度、どの部分の修繕が必要? アパートの修繕計画についての考え方

今回は、アパートの修繕計画についての考え方をお話ししたいと思います。
アパートに限らず、建物であれば大きく分けて、以下の3つの修繕が必要になります。
1:内装 2:外壁 3:給排水管その他の設備
では、この3つの修繕について、どのように計画を立てていけばいいのかを解説します。

1.内装について

賃貸物件のオーナーであれば、必ず経験するのが、入居者の退去に伴う原状回復工事です。
この計画を立てる上で、最初に行うべきは、所有物件の平均居住年数を知ることです。これを知ることで、例えば平均3年居住で原状回復費用が50万円かかるとすると、36か月でこの50万円を蓄える必要があることがわかります。
この50万円という数字は築年数によって変化し、新築から10年程度の物件であればクリーニングと壁紙の張り替え程度の費用で済むため、もっと低くなります。
基本的な考え方としては、必要な金額を把握し、毎月原状回復費用を積み立てておくことです。

2.外壁について

分譲マンションであれば、給排水管設備も含めて、長期修繕計画書を作成する管理組合も多いです。しかし、個人所有のアパート、マンションの場合、長期修繕計画書を作成するケースは非常に少なく、急な出費として捉えているオーナーも多いのではないでしょうか。
外壁については、大規模修繕工事を12年に1回行うことが望ましいと、分譲マンションの長期修繕計画書などで一般的にいわれています。
タイル張りの外壁でもコンクリートの外壁でも、12年に1回が基本と思ってください。ではなぜ12年に1回工事する必要があるかですが、その理由として、タイルの浮き、コンクリートのひび割れ、コーキングの機能劣化による外壁からの漏水、屋上防水の機能劣化が挙げられます。最初の2つはタイル、コンクリートの剥(はく)落による事故防止のためで、後の2つは漏水による建物の資産価値の低下を防ぐためです。
外壁については12年に1回が目安であるため、仮に300万円かかるのであれば、毎月の積立額は25,000円となります。(RC、鉄骨、木造、規模、使う部材などにより金額は変わります)

3. 給排水管その他の設備について

給排水設備については、一般的に給水管を交換する方が早く、築25年から30年のタイミングとなり、排水管は築30年前後がリニューアルの時期の目安となります。エレベーターは約30年、オートロックはインターホンを含めて15年から20年、鉄部塗装は5年に1回が目安になります。自転車置き場(屋根付き)などは20年前後になります。

まとめ

内装、外壁と給排水管までを踏まえて毎月の積立金額を決めることが、修繕計画を立てる場合には重要です。
注意していただきたいのは、2度目の大規模修繕工事と給水管工事が時期的に重なる上に、1回目と2回目の大規模修繕工事の間にオートロック(インターホン交換工事)があること、2回目と3回の間にエレベーターと排水管リニューアル工事があることです。
小規模なアパート、マンションであれば、エレベーターはないと思います。また給水管、排水管についても退去後の原状回復工事に絡めて費用を分散することで、一度に多額の出費となるのを抑えることが可能です。
また、賃貸物件では、分譲マンションのようにきちんとした修繕計画を立てて実行すると、投資としてはうま味がなくなってしまうため、修繕計画を立てながら、出口戦略(損失を最小限に抑える)をきちんとすることも必要です。
今回の修繕計画についての考え方は、各オーナーが所有する物件の規模や築年数、設備によって毎月の積立金額などは異なりますので、ローンの返済とのバランスを見ながら計画を立ててください。実際に工事をする場合は相見積もりを取るなどして、費用の削減も忘れずに行いましょう。

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