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特定空き家ってなに? 月額100円からできる空き家対策とは

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特定空き家ってなに? 月額100円からできる空き家対策とは

平成25年の時点で全国の空き家は820万戸にのぼり、少子高齢化の影響もあって、毎年増え続ける一方です。いまや深刻な社会問題となっています。
それに伴い、多くの自治体で空き家対策の条例が制定されました(平成26年10月、401の自治体で制定。国土交通省ホームページより)。
平成27年5月26日、国土交通省は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を完全施行しました。「空家等」の活用を促し、そのうち「特定空家等」に分類されるものに対しては、市町村が立ち入り調査や指導、勧告、命令をできるように定めました。

1.特定空き家とは、どのようなものか

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、「空家等」を次のように定義付け、さらにそのうち、以下の要件に当てはまるものを「特定空家等」に分類しています。

    「空家等」とは

    「居住その他の使用がなされていない状態であるもの、およびその敷地」(国または地方公共団体が所有または管理するものを除く)

    「特定空家等」とは

    倒壊などが著しく、保安上危険となる恐れのある状態。
    著しく衛生上有害となる恐れのある状態。
    適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態。
    その他周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切である状態。

「空家等」について、自治体では以下のような情報収集を行うとしています。
市町村は、周辺の建築物や通行人などに悪影響をもたらす恐れがある、または危険などの切迫性がある「空家等」について、法の範囲内で情報収集を行う。「空家等」での調査(9条)
「空家等」の所有者等を把握するために固定資産税情報の内部利用(10条)などが可能。
市町村は、「空家等」に関するデータベースの調整を行うよう努力(11条)。

2.特定空き家に指定されるとどうなるか?

2-1.「特定空家等」に対する処置

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、自治体では「特定空家等」に対して、除去、修繕、立木竹の伐採などの措置の助言または指導、勧告、命令することが可能であり、行政代執行の方法により強制執行が可能であると定めています。

2-2.所有者にはどのような義務が生じるか

「特定空家等」に指定された空き家の所有者に対しては、行政から管理、修繕などを義務付けられ、それを怠ると50万円以下の過料を科せられます。所有者の行方不明などの理由で管理が難しいと判断された場合は、行政代執行となり解体が行われるケースもあります。

2-3.固定資産税への影響について

「特定空家等」に指定された空き家は、固定資産税の軽減措置対象から除外されます。したがって、空き家でも200平方メートルまでの敷地部分に対して、固定資産税が6分の1に軽減されていましたが、その規定が一切なくなり大幅な増税となってしまいます。

3.特定空き家とならないための対策

「特定空家等」に指定されないためには、早めの対策が必要となります。

3-1.早期対応で「特定空家等」の指定を回避

行政からの指示段階で、適切な処置を行えば「特定空家等」に指定されることを防げます。また、指定された場合でも次年度までに対処することにより、指定を外すことができます。そのためには以下のような対策が必要です。
不審者が侵入しないように敷地を囲い、建物には施錠をする。
空き家が防災、衛生、景観などの面で、近隣住民の方に影響を及ぼさないよう管理をし、定期的に確認をする。
※ しばらく家を空ける場合は、近所の人に連絡先を伝えておくなど、普段から地域の方とコミュニケーションをとっておくことも大切。

3-2.自主管理が難しい場合の相談先

「特定空家等」に指定されないためには、適切な処理をするための労力や費用などが必要となります。空き家の所有者の中には、遠方、高齢などの理由で管理が難しい方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合には、以下のような空き家対策の専門家に相談する方法もあります。

<日本空家対策協議会>

「一般社団法人 日本空家対策協議会」では、応急危険度判定士による診断や、空き家に関するさまざまな問題の解決や予防に取り組んでいます。
参考→一般社団法人 日本空家対策協議会
しかし、空き家に対して必要以上に費用をかけたくないのも実情かと思います。そのような方には、月額100円から管理をするサービスもあります。

<100円管理サービス>

「NPO法人 空家・空き地管理センター」では、月額100円で所有する空き家を管理するサービスを行っています。100円管理に登録をすると、管理の看板が立ち、毎月1回、外部からの視点検と写真付きの報告書が作成され、不法侵入や放火などの犯罪を制御する効果があります。
その他オプションメニューもあり、手厚い管理が必要となった時に利用できます。
参考→NPO法人 空家・空き地管理センター

3-3.空き家を人に貸して活用する

空き家の有効活用として最も一般的なのは、人に貸して収益物件とすることでしょう。
しかし、十分な管理が行き届いていないなどの理由で、すぐに踏み切れない場合も多く、そうして悩んでいる間にも、老朽化が進んでしまいます。
空き家を有効利用するための助成金制度などを制定する自治体もあるので、こういったものが活用できれば、賃貸用に改修工事する際の費用を最小限に抑えられます。また、最近は借り主にリノベーションを任せるDIY型賃貸住宅も登場しました。
人が住むことによって風通しが良くなると、部屋の中が換気され、家の老朽化の加速を防ぐことができます。そして、管理の面でも、ある程度の負担が軽減されることになります。
所有の空き家を人に貸すことを改めて検討することをお勧めします。

まとめ

  • 国土交通省の「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、「空家等」の活用を促し、放置するのにふさわしくない「特定空家等」については、所有者へ管理、修繕などを義務付けている。
  • 「特定空家等」所有者としての義務を怠ると50万円以下の過料が科せられ、持ち主による管理が難しいと判断されると、行政代執行となり解体が行われるケースもある。
  • 「特定空家等」に指定されることを防ぐには、行政からの指示段階で適切な処置を行う。
  • 自主管理が難しい場合には、専門家への相談や専門のサービスを活用する方法もある。
  • 最も一般的な空き家の活用法は、人に貸すこと。家の老朽化の加速を防ぐためにも有効。

空き家の所有者は、これから家屋の倒壊や危険性の高い空き家を減らし、「特定空家等」に指定されないために、保全、管理などを万全にする必要があります。
この機会に、空き家の活用方法について、さまざまな角度から考えてみてはいかがでしょう。

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