自主管理

「良い大家さん」の条件は一つだけ 管理会社のズバリ率直な意見とは

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「良い大家さん」の条件は一つだけ 管理会社のズバリ率直な意見とは

はじめに
東京都内の不動産賃貸管理会社で働いている「踊れる不動産屋」と申します。
賃貸管理会社で仕事をしていると、さまざまな人と関わる機会があります。お客様の中には、会社の社長さんもいれば、生活保護受給者の方もいます。酔っぱらってお店に乗り込んで来るお客様、入居者の夜逃げなど、幅広い層の方に対応させていただいております。
そして入居者だけでなく、大家さんにも、さまざまな方がいらっしゃいます。江戸時代から続く大地主さんから、身内に隠して大家業をしている方まで、実にいろいろです。今まで実際に関わった中には、とても素晴らしい大家さんがいらっしゃる一方で、非常に悩ましい大家さんもいらっしゃいました。
この記事を読んでくださっている方は、管理会社に頼まずご自身で管理されている人が多いと思いますが、今回は大家さんに焦点を当て、管理会社から見た良い大家さん・悪い大家さんについてご紹介したいと思います。

こんな大家さんは困ります!

率直に申し上げて、次のような人は困った大家さんです。

  • リフォーム代が支払えない。
  • 管理会社を間に立てず、入居者と勝手に話をしてしまう。
  • 知り合いの業者(?)で、素人リフォーム。
  • そもそも人間として問題がある。

よくいらっしゃるのが、分譲マンションの一室を所有していて、入居者が退室した後のリフォーム代を分割で支払いたいというケースです。この一室分しか家賃収入がなく、次の入居者が入るまで支払えない、なんてことが多々あるのです。その場合には、管理会社が業者に立替え払いをして、大家さんに送金する毎月の家賃の中からリフォーム代を差し引く形になります。入居しているのに、大家さんに送金するお金が半年ぐらい0円ということもあります。
親族や知り合いを入居させている場合に多いのが、管理会社を飛び越えて入居者と話を進めてしまう例です。滞納された家賃の支払日を両者で決めてしまったり、ペットOKにしてしまったり‥。事前に連絡があればまだ良いのですが、連絡なしに勝手に決められると、管理会社としては困ってしまいます。トラブルのもとになるので、やめていただきたいです。
たまにいらっしゃるのは、「リフォームは知り合いの業者を使う」と言いつつ、明らかに自分でしただけという「素人リフォーム」な大家さんです。高齢の方や節約志向の強い方に多いですが、最近はDIYが流行っているので、若い方にもいらっしゃるかもしれません。クリーニング済みの紙が置いてあるものの、明らかに汚い‥そんな事態は困りますし、その結果、お客様を逃し、空室期間が長くなってしまうだけです。
リフォームを知り合いやご自身が手がけること自体は良いのですが、きちんと入居者を募集できる状態に仕上げていただくことが大事です。
最後は、そもそも人として問題のある大家さんです。とても自分勝手で管理会社の意見を聞いてくれない、むちゃな要求ばかりしてくる、管理会社の知らないうちに物件を売却してしまうなど、最低限の「報・連・相」もできない方がたまにいらっしゃいます。管理会社への不満や不信がある場合も考えられますが、それであっても連絡ぐらいはしていただきたいものです。

良い大家さんの条件はたった一つ

良い大家さんの条件は、一つだけです。それは、「賃貸経営ができている大家さん」です!!
どういうこと?と思われるかもしれませんが、これができてない大家さんは思いのほか多いのです。
それはすなわち、賃貸物件という資産を生かし、物件のある地域の地域性を考慮し、ターゲットを定め、需要に合ったリフォームを行い、快適に長く住んでいただき、その対価として家賃を受け取り、いただいた収入からまた投資を行う。会社経営と同じように、大家さんにも賃貸物件を扱う経営力が必要なのです。
こういった能力は、昔ながらの大家業という意識では育たないと思います。
部屋を貸しているから家賃をもらって当然、ではありません。昔と違って今は、入居者は「消費者」であり、昨今の消費者保護の観点からも、入居者の立場が強くなっています。法律的にもそうですし、賃貸住宅市場においても、相続対策として新築物件が雨後のタケノコのように建っているため、需要と供給のバランスが完全に崩れています。
いわば供給過剰の賃貸市場においては、長期的な目線を持ち戦略を立てて賃貸経営をしていかなければ、たとえ新築でも、なかなか満室になりません。リフォームについても、費用面ばかりに気をとられるのではなく、あくまで投資ととらえて費用対効果を考えなければなりません。入居者に気持ち良く住んでもらうために、費用に見合った効果が得られるのであれば、多少高くてもリフォームを行うべきです。
賃貸経営をきちんと考えている大家さんはやはり、管理会社ともスムーズに話ができますし、空室期間もそこまで長くなりません。大規模リフォームや外壁工事など、お金をかけるべき部分にはしっかりお金をかけてくれるので、物件が古くてもキレイな状態を保つことができます。

まとめ

皆さまは、「賃貸経営」をしていますか?
先ほど述べたような「昔ながらの大家業」は、もはや時代遅れです。これからは少子高齢化で人口がどんどん減少していきます。東京都内でも23区が一極集中となり、地方については空洞化が止まりません。不動産収入は不労所得と言われることもありますが、大家さんも努力しなければこれからの賃貸経営は難しいのが現実です。
収支を把握し、大規模リフォームなどに備えて積み立てをしておく、そしてお金をかけるべきところにはきちんと投資する。それが賃貸経営の基本になります。この記事を読んで、そのことを心に留めていただければ幸いです。

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