賃貸物件の退去後の清掃は、新しい入居者を迎えるために非常に大事な工程です。
今回は、退去後の清掃・修繕でよくあるトラブル事例について、設備ごとに解決策を取り上げます。
1.浴室のトラブル
≪鏡の汚れ≫
浴室の鏡に付着した、うろこ状の水垢が問題となりがちです。この汚れをについては、酸性洗剤を使って落とす方法と、ダイヤモンドパッドなど鏡・ガラス用のクリーナーで削って取り除く、または目立たなくする方法が一般的です。ただし、汚れの付着がひどい場合は、鏡を交換することをおすすめします。
≪シャワー≫
シャワーは主にヘッド部分とホース部分に分けられます。ヘッド部分によくあるトラブルは、詰まりとカルキ汚れの付着です。詰まりもカルキ汚れも、洗剤でつけ置き洗いをして除去します。それで解決しなければ、ヘッド部分を購入して交換しましょう。
ホース部分は、カビが付着しやすいです。カビキラーなどの洗剤を吹き付けてラップで巻き、様子を見ましょう。汚れが落ちなければ、ホース部分を購入して交換するのがおすすめです。
ヘッド部分もホース部分もホームセンターなどで購入できますが、その際はメーカーを調べておきましょう。
≪換気扇≫
異音のトラブルが挙げられます。まずはファンのホコリを取ってみて、それで解消しない場合は、換気扇本体を引き出して本体内部とダクトのホコリを取り除きます。そこまでしても解消しない場合は、交換をおすすめします。
2.キッチンのトラブル
≪換気扇≫（シロッコファン、プロペラ）
キッチンの換気扇は、シロッコファンとプロペラ式のタイプに分類できます。ここでは共通の内容について記載します。
換気扇のトラブルに多いのは、異音と異臭です。
まずは動作確認をしてみて、異音がする場合は、モーターのずれ、主軸部分のオイル切れ、油汚れ、以上のいずれかが原因のことが多いです。
モーターのずれが原因の場合は、修理業者へ依頼してください。プロペラが回転する主軸部分のオイル切れの場合は、ここにグリス（液状潤滑油）を塗ってみてください。油汚れであればクリーニング後に解消されることが多いので、ハウスクリーニング後に確認してみてください。
異臭については、ほとんどが油汚れが原因なので、まずはクリーニングをしてみてください。それで解消しない場合は、外から換気扇を通して入ってきていることも考えられます。周囲を確認して、異臭の原因を見つけることがトラブル解消につながります。
≪排水口≫
キッチンで問題となりやすいのは、排水口からの異臭トラブルです。
排水口の汚れが取り除かれているのに異臭がする場合は、防臭キャップが外れていることが多いです。これを最初にチェックすることが簡単です。
賃貸物件の場合は、シンク下の収納扉を開けて排水管の接続部を確認してください。ワンルームや、1Kなどに多い、あまり使わないミニキッチンで、配管接続部の防臭キャップが外れて異臭がするのはよくあることです。
自分で排水口を掃除する際には、ハイターなどの塩素系漂白剤を用いると、ほとんどの場合、汚れが原因の臭いは取り除けます。ただし、洗剤の取り扱いにはご注意ください。
エコな洗浄を希望する方は、重曹とお酢を使うと良いと思います。
3.トイレのトラブル
次はトイレの異臭トラブルについてです。ハウスクリーニングをしているのに異臭がする場合は、次のような原因が考えられます。
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① 臭いの原因となる尿石汚れが取れていない。
② 換気扇の汚れ、もしくは換気扇や窓から異臭が入ってくる。
③ トイレの便器と床の接合部分のコーキング（目地部分）が切れている。
①については、トイレの便座の縁や排水部分に付着している尿石汚れを取り除けば解消します。サンポールなどの洗剤を用いると良いでしょう。
②の場合は、2.のキッチンの換気扇トラブルを参照にして、異臭を解消してください。
③については、便器と床の接合部分をよく見て、接着剤のようなものが切れていたり、便器と床が離れていたりしていないか確認してください。もし上記のようなことがあれば、コーキングの打ち替えをして、すき間を埋めれば、排水管から異臭が上がってくるのを防ぐことができます。コーキング切れは非常に見つけにくいですが、原因不明の異臭はこれが原因のことが多いです。
コーキングの打ち替えについては、ホームセンターなどでコーキングガンとコーキング剤を購入できますので、DIYが好きな方はチャレンジしてみてください。非常に安価な費用でできます。使用するコーキング剤は、防カビ剤入りのものを使ってください。
まとめ
今回は退去後の清掃・修繕でよくあるトラブル事例とその解決策＜設備編＞でした。各設備について、上記を参考にチェックし、対応してみてください。
