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あなたの物件が「決め物件」になる! 不動産営業マンの内見テクニックを公開

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あなたの物件が「決め物件」になる! 不動産営業マンの内見テクニックを公開

不動産仲介業者の営業マンは、内見にお客様と出かける際に、あらかじめ物件を見せる順序を決めています。その中には、これで契約を決めようと思っている物件、いわゆる「決め物件」が含まれています。
ここでは、不動産仲介に携わった経歴のある著者が、内見に出るまでの営業マンの行動や考え方についてお話させていただきたいと思います。

1.不動産営業は3つのステップ

仲介業者の営業は、大きく分けて3つの段階に分かれます。まずはじめに、来店したお客様に営業マンが希望の条件を聞き取る「ヒアリング」が行われます。次に、条件に合う物件を検索して「物件出し」を、そして「内見」にお客様を案内します。
この時、第一段階の「ヒアリング」が、成約となる可能性の8割を占めると言っても、言い過ぎではありません。ここは非常に重要な部分です。
お客様の提示する条件はそれぞれ異なり、二人として同じ条件で探している人はいません。どのような物件を出したら良いか、お客様の求めるすべての情報をしっかりとヒアリングし、物件検索へ移ります。

2.物件をランク付けして絞り込む

さて、「物件出し」をしたら、第三段階の「内見」へ進みます。内見する物件の決め方について、私の場合をお話しましょう。
例えば、条件にピッタリ合う物件をSランクとします。Aランク(家賃は希望に沿っているが希望より少しだけ古い)、Bランク(希望の家賃よりも安いが希望より少し狭い)、Cランク(家賃は希望よりかなり安いが希望より古くて狭い)と、スタンダードな出し方は、この4件あるいは5件です。5件の場合は、AかB程度の物件を2件にします。

3.「決め物件」だけに絞らない

この場合、Sランクの物件が「決め物件」となります。しかしここで、内見に行く物件を1件や2件に絞ることはしません。お客様には4~5件の資料に目を通していただき、設備や場所についてある程度の説明をして、「資料だけ見ていてもわかりづらいと思いますので、実際に見て考えましょう!」と言ってご案内に出かけるようにします。

4.決まる!内見ルートはこう決める

最も多いパターンの案内は、Cから順に良くなっていく流れでの内見です。ただし、これは初めて案内するお客様には有効なことが多いですが、何度か部屋探しをしているお客様には逆効果の場合もありますので、注意が必要です。
一般的に、Cから順番に内見すると、Aあたりになれば、かなりイメージと近くなり、お客様のテンションも上がります。そして、最後にSランクの物件を見せると、だいたいは「この物件でお願いします」と言っていただけます。
このように「決め物件」が非常に重要となりますが、これは冒頭にお話した「ヒアリング」がきちんとできていることが大前提です。ヒアリングが的確にできていないと、自分ではSランクで決め物件だと思っていても、決まらないことがもちろんあります。

5.「決め物件」のみ案内する場合もある

この「決め物件」を使う営業に関しては、色々な方法やパターンがあります。
例えば、転勤ですぐに引越しをしなければならないお客様など、内見する物件のすべてが「決め物件」の場合もあります。下手な接客さえしなければ、どれかに決めてくれる場合では、AD(広告料)が自分の希望通り出ていて、お客様の条件に合った物件を並べます。このような場合には、Cランクの見せ物件は必要なく、むしろ早く決めたいので「決め物件」のみで良いのです。

ADについてのお話 詳しくはこちら→「AD」は確かに仲介業者の目を引く  成約にもたらす効果はどこまであるか

6.営業マンの「決め物件」の条件とは?

「決め物件」には、自分なりにですが、条件があります。一つは、一度でも自分が見たことがある、もしくは成約したことのある物件であること。見たことのある物件であれば、設備や立地条件、日当たりなど、おすすめするポイントが分かるので「決め物件」にしやすいです。一度成約していればなおさら、同じような提案をすれば決まる確率が高いわけですから、営業マンの「決め物件」、「決めルート」になりやすいのです。
もう一つ、「決め物件」とする上で大切なのは、オーナー側で物件をきれいな状態にしていることです。これは非常に大事で、どんなに新しくて広く、駅に近い物件でも、共用部分が汚い、部屋の中が清掃されていない、特に水回りが汚いなどの問題があれば、せっかく「決め物件」になり得る物件でも、ただの「見せ物件」となってしまいます。

まとめ

このように、営業マンの中で「決め物件」となるのは、オーナーの十分な営業活動と、物件のメンテナンスがの両方がそろった時に成立するということです。一人でも多くの営業マンに、自分の物件が「決め物件」となるようしっかりと営業をして、条件に合うお客様がいれば案内に組み込んでもらうことが大事です。

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